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VMN セミナー情報

  • 専門医に学ぶ講演会
  • 科目
開催日: 2014年10月1日(水)

画像診断セミナー2014

講師

William R. Widmer, DVM, MS
Diplomate, American College of Veterinary Radiology Professor Emeritus College of Veterinary Medicine Purdue University, W. Lafayette, IN USA

演題

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法
骨折と骨折整復のためのX線撮影

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.1
  • 画像診断

●なぜ、超音波が大好きなのか?
利点:臓器のテクスチャーを明確に示す、液体を検出する、造影検査の代わりになる、臓器の動きを表示する、非侵襲性である。
欠点:局所解剖に乏しい、アーティファクトを作りやすい(ガス、ミネラルによる)、組織学的な特徴づけはできない、結節は結節である、間違いに対する責任能力が乏しい… ●腹部X線検査は超音波検査よりも先に実施すること!
理由:相補的な手技(相乗的) である、腹部X線だけでも答えが得られる可能性がある、費用対効果 ●症例

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.2
  • 画像診断

●トランスデューサー
●腹部超音波検査の学習曲線
習得しやすい:尿路、脾臓、肝臓および胆嚢、管状の消化管
習得が難しい :膵臓、腸間膜リンパ節、副腎、生殖管 ●スキャン・テクニック
横臥位:大血管をランドマークとして利用する、副腎と腎臓を見つけやすい、一部の臓器は移動する - 膀胱、動物は快適、反転 – 再ポジショニングが必要
仰臥位:大血管は深部にある、腎臓および副腎領域も深部にある、臓器の移動は少ない - 膀胱と前立腺は見つけやすい、おそらく不快感がある、くしゃみをするかもしれない、再ポジショニングは必要ない ●スキャン・テクニック
腹部全体を走査する、毎回、系統的に同じ方法で行う、背側の被毛は横突起の位置まで刈る、アルコールで皮脂を除去する、右肋間のウィンドウを考慮する

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.3
  • 画像診断

●右肋間のウィンドウ
●施術者がコントロールすること
トランスデューサー:落とさないこと—高価である、Low f (低周波数) = 解像度が低い、浸透力が強い、High f(高周波数)=解像度が高い、浸透度が弱い、ノッチを見つけて画面の左右にあわせる
タイム‐ゲイン補正(TGC):戻ってくるエコー強度を深度に合致させ、組織の見え方を均一にする
深度:コンピューターは選択した深度でスクリーンを“満たす”、スクリーンは関心領域の臓器で一杯になる
フォーカル・ゾーン:調節可能または固定、横方向の解像度が最も良い
調節部分の多くは、業者による初期設定もしくはプリセットで良い。

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.4
  • 画像診断

●トランスデューサーの操作法
トランスデューサーを適切に持つ、関心領域にスライドさせる、軸方向に回転させながら望ましい平面を見つける、画像が中心にくるように、トランスデューサーを前後左右に動かす ●臓器系 – 一つずつ修得する
ACVRレジデントが通常行う養成訓練
30ヶ月のトレーニング
監督下で症例研究を実施する。X線画像診断 4000例以上、腹部超音波診断 1000例以上、CT 500例以上、MR 500例以上

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.5
  • 画像診断

●尿路
腎臓は容易に描出できる、3方向の平面画像をみる練習をする、正常な尿管は見えない、膀胱は空でなければすぐに見つけられる ●腎臓
超音波画像-腎臓のエコー源性
正常:皮質は髄質よりも高エコー性である、腎皮質は正常な 肝臓に対して等エコー性からやや低エコー性である、腎皮質は正常な 脾臓よりも高エコー性である ●超音波画像と腎肥大症
犬:サイズは体重によって異なる
猫:腎臓長は通常 3.2 - 4.2 cm ●腎肥大症では超音波がどのように役立つのか?
充実性 vs. 嚢胞性疾患の区別

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.6
  • 画像診断

●水腎症および水尿管症
拡張した腎盤腔
●結石 -どの部位を見れば良いか●分割画面での比較●高エコー性の腎臓
腎炎、高齢猫では正常、エチレン・グリコール中毒、リンパ腫
●低エコー性の髄質
非常に少ない 、髄質のウォッシュアウト(尿崩症、多尿性腎不全)まれ、新生子では正常

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.7
  • 画像診断

●膀胱
画像は充満している時に描出する ●移行上皮癌●膀胱結石
X線写真では認められなかった膀胱結石
懸濁しているデブリス正常な猫の膀胱

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.8
  • 画像診断

●肝胆道
初めに胆嚢を見つけるが、嚢胞と混同しないこと
肝臓は体内で最大の実質臓器であり、複数の平面が必要
 右側方、左側方、横断
正常なエコテクスチャー
鎌状間膜と等エコー性、腎臓よりも高エコー性、脾臓よりも低エコー性
●高エコー性の肝臓における一般的な鑑別診断:
ステロイド性肝障害、脂肪浸潤、慢性肝炎(線維症)、肝硬変、びまん性腫瘍
●低エコー性の肝臓における一般的な鑑別診断:
(急性)肝炎 、浮腫 、リンパ腫、うっ血 、アーティファクト
●正常な胆嚢壁と肥厚した胆嚢壁●症例●胆嚢:沈殿物
犬-
可動性、重力依存性の沈殿物は“正常”
懸濁した沈殿物は、粘液嚢腫の素因になるかもしれない
猫-
正常では沈殿物はない
沈殿物は、肝細胞疾患に関連する…

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.9
  • 画像診断

●脾臓
独特なエコテクスチャー - 門脈がないため、肝臓に比べて背景となる構造が微細である
頭部、体部、尾部を見つける
横断面および長軸面でスウィープする
●脾臓の腫瘤は充実性のこともある●脾臓の結節および腫瘤
結節性過形成は、腫瘍と同じように見える
血管肉腫と血腫は同じように見える
●捻転
特徴は、複数の短い線状のシャドウを伴う低エコー性の脾臓
脾静脈の血流がない

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.10
  • 画像診断

●管状の消化管
難しい
ガスによるアーティファクト
局所解剖不良 – 小腸のどの部分なのか分からない
壁の厚みが様々である
 胃 > 十二指腸 > 空腸 > 回腸 > 結腸
 胃は空虚だと肥厚して見える
 運動性は評価できる
●胃の肥厚を過剰診断しないよう注意 する- 拡張によって変動する●回腸末端:正常所見●異物:高度な技術
-管腔内の鏡面エコーを探す
-異常な蠕動運動
-たまに間違えることはある
●波状の小腸
虚血、十二指腸炎(膵炎)、特発性

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.11
  • 画像診断

●膵臓:正常では見えないことがある●膵炎ー膵臓の浮腫●膵偽嚢胞
通常は炎症の結果によるもの

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.12
  • 画像診断

●副腎は過度に強調されている
高度な技術
サイズと形状の正常範囲は広い
正常では全く観察できないこともある
副腎が観察できるからといって超音波画像診断医になれたというわけではない…
●副腎描出テクニック●下垂体依存性副腎皮質機能亢進症
副腎の横断像における一般的な計測値は 0.6〜 0.7 cm未満 ●副腎:腫瘤

腹部超音波画像診断:自分の装置を最大限活かす方法 Vol.13
  • 画像診断

●まとめ:超音波検査をマスターするには
練習、練習、練習 ●質疑応答

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.1
  • 画像診断

●概要 – 講義の内容
長骨 – 四肢骨格
解釈上の原則
骨折の分類
骨折治癒の合併症 ●骨折の主な原因 = 急性外傷
正常な骨の不連続性
皮質骨および海綿骨の骨折
 分類、種類、名称等で呼ばれる ●慢性外傷も骨折の原因になる
過剰な使用
 皮質骨あるいは海綿骨の微視的骨折(“ストレス”性骨折)
 これらはX線像上で観察できない!
 治癒するか、不完全骨折に進行する ●症例

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.2
  • 画像診断

●病的骨折
潜在する病理
骨腫瘍
骨減少性疾患=まれ ●症例
●一般的でない病的骨折
骨減少性疾患
 骨壊死(レッグ・カルヴェ・ペルテス病)
 骨粗しょう症
 骨軟化症
 線維性骨異形成

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.3
  • 画像診断

●トラブルを避ける方法: 要点
少なくとも、互いに直交する2方向像は必ず撮影する(即ち、90度の直角投影)
例外は脊椎の骨折や環軸亜脱臼などはラテラル像1枚で診断できることがあるので無理しない。 ●一方向だけの撮影は行わない
-役に立たない! ●重複によって重大な変化が隠れてしまう
●トラブルを避けるには, 続き:
●指趾を見るための“扇型”像
指趾を開いた状態で 撮影する内外側像 第1と第5の指趾にテープをかける
ヒトのX線学から見つけた方法 この像を撮影しないと、骨折の25%を見逃す可能性がある ●背-掌/蹠方向の“扇型”像

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.4
  • 画像診断

●ポジショナル像(“ストレス像”)
特に遠位の脱臼時などに役立つ。
最も役立つのは:-手根部-足根部 ●内側側副靱帯の 損傷
治療に関しては変化はない。 ●偽性骨折に注意する
特に若い動物。汎骨炎。
成長中心、栄養孔、マッハバンド

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.5
  • 画像診断

●脛骨粗面の剥離
注意深く見ていく。 ●未熟な成長中心は判断が難しい
-骨端の変位を探してみる。変則性の跛行は反対側と比べてみる。 ●成熟動物における長骨骨折の分類
完全/不完全、粉砕、横、斜、らせん、関節内/関節外 ●ソルター・ハリスの分類
●ソルター・ハリスII
通常は合併症もなく治癒する ●ソルター・ハリス V
通常は合併症を伴って治癒する(より時間がかかる)

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.6
  • 画像診断

●骨折治癒に影響する要素
血液供給 (酸素圧)、固定の種類、骨折の位置、骨折のタイプ、患者の健康状態、アフターケア ●一次治癒 (直接癒合)
●一次治癒の特徴
堅固な固定
骨膜反応がほとんどない
皮質の直接的な
微視的架橋
 骨のBMU(骨代謝単位)を介して ●BMU = 骨代謝単位または「カッティングコーン」
●二次治癒 (仮骨による治癒)
●二次治癒の特徴
半剛性の固定ー微動
明らかな骨膜反応
皮質の間接的な骨架橋

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.7
  • 画像診断

●どの時点で固定具を外せるのか?
●固定具抜去に関する追加情報
多くの考えや理論、事例的情報がある
“骨片間隙の横断面積の少なくとも270°に皮質骨の架橋形成”が必要 ●骨折はいつ治癒するのか?X線画像上および臨床的基準の再検討[要約]
骨折治癒を検証する治験においては特に最適なアウトカム測定の選択が非常に難しくなることがあり、これは骨折の治癒過程が主観的なものであり、ゴールドスタンダードを持たないためである。様々なX線撮影様式が利用可能であるが、治癒の評価には単純X線撮影が最も一般的なアプローチ法である。しかしながら、X線画像上の評価項目は、骨折部の強度と剛性とはうまく相関しない。さらに難しくさせるものとして、治癒を評価するためのX線画像上の最適な測定値について、コンセンサスが得られていない。本稿では骨折治癒を定義するために最も一般的に用いられるX線画像上および臨床的基準について概要を示す。その他のアプローチ法についても、その妥当性と信頼性について考察する。 ●結論 - X線画像単独では整形外科固定具の抜去時期を知ることはできない。
その他の要因を考慮する
 患者は負重できているか?
 軟部組織の状態は?
 萎縮は?
 ペットと飼い主のタイプは?ー患者は“興奮しやすい”(落ち着きの無い、活発過ぎる)タイプか?

骨折と骨折整復のためのX線撮影 Vol.8
  • 画像診断

●骨折整復における合併症
●変形癒合
治癒したが形状や角度などが異常 ●遅延癒合
主観的な判定 – 予測通りの速度で治癒していない…
 副子固定の6週間後、仮骨が形成されていない
 骨膜反応に仮骨が伴っていない
 堅固な固定が得られていない結果

動画要約(全文)

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