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VMN セミナー情報

  • 専門医に学ぶ講演会
  • 科目
開催日: 2016年8月31日(水)

整形外科セミナー2016

・脱臼 Luxations
・橈尺骨の変形と治療
・犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む)

講師

林 慶先生
DVM, MS, PhD, Dipl.ACVS, JCVS
Associate Professor, Section of Small Animal Surgery
Cornell University

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

脱臼 Luxations vol.01
  • 整形外科

・脱臼 Luxations
・Learning Objectives
 小動物臨床で頻発する脱臼のタイプを知る。
 診断技術を学ぶ。
 治療選択を考察する。
・脱臼症の重要性 Significance
 重度な疼痛
 重度な機能障害
 進行性の病態
 緊急的措置を必要とする重篤な問題である。
・重要な脱臼症 Common Joint Trauma/Luxation
 重度な外傷に伴うもの
 (例:股関節脱臼や肘関節脱臼)
 先天的脱臼症
 (例:小型犬で見られる肩や肘関節脱臼)
 もともと緩みがあったと思われる関節が軽度な外傷で発症する脱臼
 (例:小型犬での肩関節脱臼や股関節脱臼)
 ここでは、病態が著しく異なる膝蓋骨脱臼症は別とする。

脱臼 Luxations vol.02
  • 整形外科

・1. 股関節脱臼 Coxofemoral luxations
 犬で多く、猫では比較的少ない。
 股関節の安定性:
  骨の形状 Bony anatomy
  周囲筋組織 The surrounding musculature
  関節包 The joint capsule
  大腿骨頭靭帯 The ligament of the head of the femur
・病態 Pathophysiology
  外傷
  股関節形成不全?
  頭背方向 cranial-dorsal
・診断 Diagnosis
  特徴的な足の挙上
  触診 “三角”
  疼痛
  放射線検査
・放射線検査
 方向、形成不全、骨折

脱臼 Luxations vol.03
  • 整形外科

・2. 肘関節脱臼 Elbow luxation
 外傷性脱臼 外方
・診断 Diagnosis
 Palpation
 Radiography
・Treatment Option #1:非観血的整復 Closed Reduction and External Coaptation
 成功率高い.
  1.画像診断
  2.麻酔または深い鎮静
  3.正しい整復手技
   The elbow is reduced in flexion and stabilized in extension.
  4.整復後不動化
    Full cast or splint for 10-20 days
  5.毎週再診
・Treatment Option #2:Open Reduction and Surgical Stabilization
・先天性の肘関節脱臼
 3つのタイプに分類される。
  1.橈骨頭が、外方に脱臼し、尺骨は比較的正常な位置にあるもの(ブルドッグに多い)
  2.尺骨が外方に回転しているもの(歩行機能は0に等しい)
  3.橈骨、尺骨共に脱臼しているもの(まれ)

脱臼 Luxations vol.04
  • 整形外科

・さらに難しい状態(永岡法)
・症例

脱臼 Luxations vol.05
  • 整形外科

・3.肩関節脱臼 Shoulder Luxation
・先天性、形成不全
 骨頭切除は肩に関しては無意味。
・関節固定術
 肩は関節固定しても機能はまあまあ回復できる。
・不安定症、緩み?
 日本ではトイ・プードル、コーギー、シー・ズーに多い?
・経関節創外固定法を肩関節に適用した13症例の検討

脱臼 Luxations vol.06
  • 整形外科

・Case #1, 11 yr, 0.96kg CM, Pre-op
・Closed reduction and cross pin
 クロスピンが簡単で費用も抑えられるが、固定力が弱い。
・4 weeks post-pin removal
・Case #2, 8yrs, SF, 2.4kg
 越智善行ら、2016
・Post-op
・Case#4, Lateral Luxation, 10yrs, CM, 3.5kg
 多方向型
 トグル法(ボーンアンカーとボタンで行う)
・まとめ
 股関節脱臼に関しては、さらなる研究が必要
 先天性肘関節脱臼は難治
 肩関節脱臼症はタイプの鑑別が必要
・質疑応答

橈尺骨の変形と治療 vol.01
  • 整形外科

・橈尺骨の変形と治療
 ジャーマンシェパートはおそらく尺骨の遠位の成長版が早期閉鎖する。
・前腕の骨切り、創外固定
・AO Principles of Fracture Management in the Dog and Cat

橈尺骨の変形と治療 vol.02
  • 整形外科

・症例:3-84-60 K9-GOLD RET-MC-Levi 29.5Kg, DOB:Dec.2010
・ハイブリット法
・内固定法CORA
・創外固定の管理
・症例:39-42-03 K9-SHIH TZU-MC-Buddy 6.4Kg, DOB:2002
 前肢用の車椅子やブーツを用いる。
・症例:37-85-57 K9-GOLD RET-MC-Sam 22.4Kg, DOB:2006
 尺骨のリリーシング

橈尺骨の変形と治療 vol.03
  • 整形外科

・症例:38-23-07 K9-BASSET-MC-Sam 28Kg, DOB:Mar.2006, 1.5yrs
・“CORA” Method
 (1)Location of the CORA
 (2)Magnitude of the CORA
 (3)Plane of the deformity
・Derek Fox
・The plane of the deformity
・症例:40-05-03 K9-SHIH TZU-MC-Wadsworth Longfellow 11.1Kg, DOB:Oct.01, 2008
・症例:42-43-00 K9-PEKINGESE-MC-Bandit 6.2Kg, DOB:Nov.18,2011

橈尺骨の変形と治療 vol.04
  • 整形外科

・症例:42-25-93 K9-BASSET-MC-Bernard 21.2Kg, DOB:Nov.22,2008
・バセット・ハウンドの症例
 CTを用いて評価する。
・質疑応答

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.01
  • 整形外科

・小動物整形外科教育跛行診断へのアプローチ
 “Problem Oriented Approach”
 “Systematic Step Approach”
 1. 問診 、2. 身体検査、3. 計画
  a) Problem list
  b) Diff.Dx/Rule outs
  c) Dx. Plan
  d) Tx. Plan
・イヌの跛行診断
 第一部:身体検査
 第二部:診断検査
 第三部:特殊検査
 第四部:治療計画
・Step 0 初期情報
 シグナルメント Signalment
  1. 年齢 Age 2. 性別 Sex 3. 品種 Breed (4. サイズ Body size)
 主訴 Chief complaint
 病歴 History
・主観的情報 問診
 飼い主による情報
  主訴 CC
  病歴:開始 Onset
  病歴:経過 Course
  治療への反応
・STEP 1
 !ここまでの情報を元に第一次仮診断をまとめる
 !ただし偏見を持たない

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.02
  • 整形外科

・STEP 1:第一次仮診断 小型犬ー若齢犬-前肢
  外傷性(骨折)、先天性脱臼、成長異常
・STEP 1:第一次仮診断 小型犬−成犬−前肢
  脊髄疾患、免疫介在性関節疾患、骨折(上腕骨遠位)
・STEP 1:第一次仮診断 大型犬−若齢犬−前肢
  肘関節形成不全、肩関節OCD、汎骨炎
・STEP 1:第一次仮診断 大型犬−成犬−前肢
  肘関節骨関節症、骨腫瘍、肩関節腱症(二頭筋、棘上筋)、脊髄疾患
・STEP 1:第一次仮診断 小型犬−若齢犬−後肢
  膝蓋骨脱臼、大腿骨頭壊死、外傷、成長異常
・STEP 1:第一次仮診断 小型犬−成犬−後肢
  膝蓋骨脱臼、脊髄疾患、前十字靭帯断裂
・STEP 1:第一次仮診断 大型犬−若齢犬−後肢
  股関節形成不全、足根関節OCD、汎骨炎、膝蓋骨脱臼
・STEP 1:第一次仮診断 大型犬−成犬−後肢
  前十字靭帯断裂、股関節骨関節症、腫瘍、脊髄疾患

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.03
  • 整形外科

・STEP 2 視診
 1.立位視診、姿勢検査
 負重の程度
 奇形(内反、外反など)
 左右対称性(筋肉、骨盤など)
 四肢の長さ
 ナックリング
 足幅(スタンス)
・STEP 2 視診
 1.立位視診 2.座位視診 3.歩様検査
・STEP 2 視診:歩様検査
 1.異常を描写:跛行を鑑別
  虚弱、運動失調、奇形、跛行
 2.異常肢を限定
  (前肢 では“ head bob”を観察)
 3.可能であれば
  跛行と歩様異常を
  鑑別
・STEP 2 まとめ
 1.本当に跛行か? ‐ 跛行
  ‐ 虚弱
  ‐ 失調
 2. どの足? ‐ 前肢
  ‐ 後肢
  ‐ 右、左、両側
 3. どのタイプ? ‐ 跛行(負重異常)
  ‐ 歩様異常

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.04
  • 整形外科

・STEP 4 身体検査(触診)
 1.TPR、一般身体検査
 2.神経学的検査
 3.整形外科的検査
・STEP 4 神経学的検査
 1.脳神経
 2.頚部伸展屈曲
 3.CP(重要)
 4.脊椎触診
 5.腰仙関節、尾挙上
 6.脊髄反射
・STEP 4 整形外科的検査
 1.整形外科的視診
 2.筋触診
 3.関節腫脹
 4.関節可動域
 5.関節安定性
 6. 長骨触診
・STEP 4 立位検査
 1.手早く脳・頚部神経学的検査
 2.肩甲骨周囲の筋肉量
 3.肘関節の腫脹
 4.前肢CP
 5.脊椎・尾部触診
 6.大腿筋肉量
 7.後肢CP
 8.足根、アキレス腱触診
 9.膝腫脹触診
 10.股関節伸展
・STEP 4
 前肢
 1.遠位端 触診
 2.長骨 触診
 3.手根関節 腫脹、可動域、安定性
 4.肘関節 腫脹、可動域
 5.肩関節 屈曲、伸展
・STEP 4 横臥位検査:前肢
 1.肢端検査
 2.各関節腫脹、可動域、安定性
 3.長骨触診
 4.脊髄反射
 5.各種特異的検査
   ‐ 肘関節伸展
   ‐ 二頭筋テスト

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.05
  • 整形外科

・STEP 5 指針決定
 1.問診、身体検査に基づく
  第3次仮診断
 2.計画 (特に画像診断検査)
  a) Problem list
  b) Diff.Dx/Rule-outs
  c) Dx. Plan
  d) Tx. Plan
・第二部 診断検査
 小型犬−若齢犬−前肢
  外傷性(骨折)、先天性脱臼、成長異常
  → 放射線検査
・診断検査
 小型犬−成犬−前肢
  脊髄疾患
  免疫介在性関節疾患
   → 特殊検査
  骨折(上腕骨遠位)
   → 放射線検査
   → 特殊検査
・診断検査
 大型犬−若齢犬−前肢
  肘関節形成不全:触診所見が非常に大事
   伸展、腫脹、可動域
  肩関節OCD:伸展
  汎骨炎:圧痛
   → 放射線検査
・Elbow Dysplasia
 放射線検査:内側の鉤状突起以外の異常をみつけるために行う。
・Shoulder OCD
 放射線検査
・診断検査
 大型犬−成犬−前肢
  肘関節骨関節症:可動域
  骨腫瘍:激痛
  肩関節腱症(二頭筋、棘上筋)
   → 放射線検査
  脊髄疾患
   → 特殊検査
・Shoulder 腱症
 放射線検査
  二頭筋腱炎、棘上筋腱炎
  ただし、日本ではほとんどみないか?
・まとめ
 0.問診
 1.第1次仮診断
 2.視診
 3.第2次仮診断
 4.触診
 5.第3次仮診断と診断計画(画像診断)
 6.特殊検査、確定診断、
 7.治療指針決定

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.06
  • 整形外科

・第三部 特殊検査
 脊髄疾患
 関節疾患(内科病)
 腫瘍性疾患
 肩関節:超音波検査、MRI
 肘関節:CT,関節鏡
 股関節:特殊放射線検査
 膝関節:関節鏡
・第四部 治療計画:前肢
 若齢犬−前腕骨折
  → 紹介?→ 外科的治療
 若齢犬−先天異常、成長異常
  → 紹介 → 外科的治療
 成犬−上腕骨折
  → 紹介?→ 外科的治療
・第四部 治療計画:前肢
 若齢犬−肩関節OCD
  → 紹介? → 外科的治療
 若齢犬−肘関節形成異常
  → 紹介? → 早期外科的治療
 若齢犬−汎骨炎
  → 保存的治療
・第四部 治療計画:前肢
  成犬−肘関節骨関節症
  → 保存的治療
 成犬−腫瘍 → ???
 成犬−肩関節腱炎
  → 保存的治療
  → 紹介?
  → 外科的治療
・治療指針 まとめ
 早期外科的治療
  骨折
  重度膝蓋骨脱臼
  大腿骨頭壊死症
  肘関節形成異常
 外科的治療
  前十字靭帯症
  各OCD

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.07
  • 整形外科

・質疑応答
※これ以降Vol01の途中からの症例と同じ症例や重複の解説があります。
・Case #2, 8yrs, SF, 2.4kg
 越智善行ら、2016
・Post-op
 肩関節内方脱臼
 C2057: Toy Poodle, 8yrs, Fs, 2.4kg
 1ヵ月前, テーブルから飛び降り左側肩関節脱臼, 主治医にて非観血的整復 再脱臼にて主治医より紹介, 来院
・内側関節上腕靱帯再建術
 人工靭帯の結紮 関節可動域を制限しない 起立時の角度(135°)で人工靭帯を締結
・フォースプレート Force plate gait analysis

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.08
  • 整形外科

・肩関節内包脱臼
 C3004: Toy Poodle, 9yrs, Mc, 4.2kg
・フォースプレート Force plate gait analysis
・棘下筋の腱
  スリーループ・プリー縫合
  ロッキングループ縫合
・C2462-1: Toy Poodle, 10yrs, Mc, 3.5kg
 トリミングショップにて外方脱臼 2回の非観血的整復にて再々脱臼
・C2462-1: Toy Poodle, 10yrs, Mc, 3.5kg
 Arthrex:Suture Button
 Smith & Nephew:ツインフィックスTi 2.8 アンカー
・経関節創外固定法を肩関 節に適用した13症例の検討
・Closed reduc-on and cross pin
・肩関節内包脱臼(動画)
・質疑応答
・跛行動画症例解説検討

犬の跛行診断(肩関節の脱臼含む) vol.09
  • 整形外科

・跛行動画症例解説検討
・質疑応答

動画要約(全文)

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